『債務者のランク付け』
金融機関では、決算期近くになると、自己査定といって債務者を正常先、要注意先、要管理先、破掟懸念先、実質破掟先、破掟先に区分します(金融機関ではヨーカン、ハケ、ジッパなどと略するときもあります)。黒字で、欠損もなければ正常先ですが、2期連続赤字や債務超過になると、区分が変更になっていきます。破掟懸念先に区分されると借換えも含めて新規融資は受けられなくなると思われます。これほど重要な意味を持つ自己査定は、基本的に会社の決算書に基づいて行われます。もちろん書類だけを見て判定するわけではありません。数字には表れない企業の成長性・技術力等にも着目しますが、決算書が大きなウエイトを占めることは間違いありません。

『レベルの高い決算書』
決算書は現行の商法、会計基準に適応したものにするべきです。昔の科目名、会計基準のままの決算書は会社のレベルの低さを感じます。

『粉飾に注意』
また、いわゆる粉飾決算にも注意が必要です。売上債権や在庫等疑問のある決算書は見る人が見れば解るものです。金融機関の信頼を損なわないように留意が必要です。

『経営改善計画』

業績が良くてもそうでなくても経営者にとっては経営計画又は目標となる数字が必要です。数年間の目標売上・利益と次期の見込みの数字、具体的には次期1年間の予算の作成をお勧めします。これは、現実的なものでなければなりません。予算は資金繰予算も作成します。予算を作成することと、予算と実績を対比することで問題点がわかるようになり、経営改善につながるのです。