中小企業では、経営者は「生業(なりわい)」から「事業」を行うようにならなければならないと言われますが、事業というのは規模を拡大する事や、売上を増加させることなどと考えると、
それによって利益が減ってしまう事もありえます。
企業の「利益」の源というのはどこにあるのか。マーケティング的にアプローチします。

企業の利益の源泉はどこにあるか

マーケティング的に考えると、企業の利益の源泉は、

 第1に「質」であると考えられます。製品でもサービスでも高い品質のものを
 販売・提供するという事です。

 第2に考えられるのは「生産性」です。製造業なら一つの製品をたくさん作るから
 コストが安い。素人が作ろうとすると材料費が高く、時間もかかります。
 サービス業なら短時間で提供されるものでも自分でやろうとすれば、
 膨大な時間と労力を必要とします。

 第3には「確実性」です。いつでも同じ製品やサービスを買うことができるという事です。
 製品を注文しても、あったりなかったりするとか、サービスを提供して欲しいが、
 うまく対応してもらえないとか、そういう事が無いという事です

価格は相場で決まってしまう
 以上の3つの要素が考えられるのですが、これについては適切に価格が付けられている事が前提になります。生産性を高くしたとしても、それに対して価格を下げてしまっては、販売数量は増加しても利益は出ません。また、逆にいかに質が高くてもそれを超えた価格をつけると販売にはつながらないでしょう。
価格がすぎても安すぎても製品やサービスは、企業利益に貢献する事はありません。ほとんどの業界では相場とか業界の標準価格というものがあって、実際には価格はここで決まってしまうのです。

生産性の高い人が利益が出る
 従って「業界では生産性の高い人が利益が出る」ということになります。当然の事と思われるかもしれませんが、再検討の余地があるのではないでしょうか。生産性の上がらない不得意な業務を手間をかけてやっていないかという事です。
企業で利益の源泉となるのは、生産性の高い得意の分野に継続的に取り組むという事、または業務の生産性と質を上げるという事と考えられます。
規模拡大や売上増加ばかりを求めても、生産性が上がらなければ利益は増加しません。労多くして益が少ないという結果になる場合が多いのではないでしょうか。