『コストダウンは原価管理から』

建設業は、かつては民間工事は豊富に有り、また公共工事に守られていたこともあって企業数も多く、市場も大きかったわけですが、現在では民間工事は減少し、公共工事も財政の影響であまり期待出来ない状況です。その中で競争力をもって営業していくためには、やはりコストダウンして価格競争力をつけるか、機能を強化するしかありません。
コストダウンを考えるときは、工事原価のみでなくその他の間接部門も対象になります。建設業ではいわゆる粗利益率というのは大きくないので、工事原価の数パーセントをコストダウンできるとそれだけで粗利益率の改善は大きなものになります。

『固定費の削減』
コストダウンを行おうとする場合に考えられるのは、一つは固定費の見直しによる削減です。工事原価の中にも固定的に発生するものが多くあり、それを見直していくわけですが、各現場ごとの原価管理が基本です。
『作業工程の工夫』
もう一つは、変動比率の見直しです。材料の調達、作業工程の見直しなどを行い、効率性を追求することになります。そしてこれも各現場ごとに原価管理を行います。
原価管理といっても、最も重要なのは実行予算の作成です。各現場ごとに実行予算を作成し、これと実績を対比して、工原価を把握していきます。共通的なものは予定原価として配賦し、その他は発注の都度実行予算と対比していきます。