いわゆるリストラというのは本来は事業の再構築の事ですが、実際には人件費の削減、人員の削減の意味で使われています。新聞等では大企業のリストラで何万人という退職や解雇が行われているという報道がありますが、実際には希望退職までで、ほとんどが子会社等への出向や配置転換だと思われます。
整理解雇の場合には、30日前に予告するか、又は30日分以上の解雇予告手当てを支払えば解雇できると考えている方もいると思いますが、法的には客観的な合理性がないと解雇することはできないとされています。

『人件費削減の方法』
1.役員報酬のカット
2.福利厚生費の削減
3.残業規制、労働時間の短縮、通勤手当の見直し
4.新規・中途採用の中止
5.パート従業員の契約解除
6.昇給停止、賞与の削減
7.各種手当の廃止、基本給の削減
8.配置転換、出向
9.希望退職
10.指名解雇

『判例による解雇の4条件』
1.整理解雇を実施する必要性がある
  自社が債務超過などに陥ったため、解雇を回避する努力をしたものの、
  人員削減をしなければ生き残れない様な状態であることが必要
2.解雇を回避するために努力をした
  経費削減や資産の売却、不採算部門の立て直し、給与体系の見直し、役員報酬のカット、
  配置転換、出向、一時休業、希望退職者の募集など、できる限りの努力をしていることが必要
3. 客観的で合理的な基準で解雇対象者を決めた
  性別などによる差別はなく公正かつ公平に人選しなければならない。
  女性のみを対象とした基準や、数値で示せないような基準は無効
4.従業員を納得させる努力をした
  労働組合または従業員の過半数を代表する者と話し合う必要性がある。
  必ずしも合意に達している必要性はなく、解雇する必要性や対象者の基準などについて、
  従業員を納得させる努力をしたかどうかが問われる。