一年間の収支予算を組む
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資金繰り改善の第一歩は、年間の収支予算を組むことです。この収支予算を組む過程で、自然と無駄な経費、余分な経費がわかり、会社にとって収入がどれだけ必要なのかが見えてきます。
(1)まず、年間の損益予算を組みます
売上、仕入、経費について過去の実績をもとに計上します。
ここで、仕入、経費については不要なものが無いか常に新しい目で検討します。
(2)年間損益予算を月次に展開します
(3)年間損益予算をもとに、年間の収支予算を組みます
消費税を考慮し、非資金費用を除きます。また、借入返済、固定資産の購入、税金支払いも入れます。
(4)年間収支予算を月次に展開します
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項 目
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年 月〜 年 月
計 画
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損 益
売 上 高
売上原価
材料費
労務費
外注費
経 費
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計
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売上総利益 |
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販売・管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益
営業外費用
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経常利益 |
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項 目
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年 月〜 年 月
計 画
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資金収支
営業収入
営業支出
材料費
労務費
外注費
経 費
販売・管理費
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計
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営業収支 |
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営業収入
営業支出
その他収入・支出
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経常収支 |
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固定資産支出
借入金収入
借入金返済
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差引現預金増加 |
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支払手形を廃止、期日支払に変更 |
支払手形の発行は、資金繰りに余裕のない会社にとって大きなリスクを伴います。手形の決済資金に追われることのないよう、支払条件を変更し、期日振込にすることです。取引先が手形を割引したい場合には、歩引をして期日前に支払う条件にします。これによって、歩引による値引をうけることができ、また、手形に貼る印紙が不要になります。
事例2
A社では、従来から支払手形を発行していたが、これを廃止して、期日に振込するように変更した。これによって
1)印紙税の節税
2)仕入割引の発生による収入計上
3)手形の管理が不要になり、決済期日を気にする必要もなくなった。 |
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手形借入から証書借入へ |
いわゆる「コロガシ単名手形借入」というのは、短期資金融資の形式をとりながら、手形の期日の到来のたびに書換が行われ、結果的に長期間に渡って融資が継続し、返済の行われていないものをいいます。このような借入は、金融機関が書換に応じなければ、即返済不能となる場合が多く、金利も貸出条件緩和債権にならないよう高い金利が設定されている場合があります。
短期に返済できない場合は、約定弁済のできる証書借入へ変更し、毎月返済する方法が望ましいといえます。
事例3
B社では、手形借入で書換を継続してきたが、短期的に返済はできないので、約定弁済条件の付く証書借入へ変更し、毎月返済していくことにした。この結果、返済資金はいるが低い金利になり、また毎月返済によって支払利息が減少した。
今後の資金繰りによっては借換えにも利用できる。
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